テクノロジーサイドからみた○○ x Tech

ここの5〜6年の間 (特定の分野) x Techというワードをよく聞きます。 長年「ITの不毛の分野」と言われてた産業にテクノロジーが注入される事により、○○ x Techと称されます。 近年だと、Ad Tech、Fin Tech、Ed Tech、Fashion Tech、Food TechそしてHR Tech等があります。

ちなみには我々もHRテクノロジー大賞奨励賞というのを昨年受賞しています。

それぞれの分野でテクノロジーのトレンドとビジネスのトレンドがうまく合致するタイミングで、○○Techというワードがメディアにでてくる事になります。もしくは恣意的に業界全体が出すように仕向けます。 GoogleApple等の大手だけがこれらのメリットを享受するのではなく、それぞれの分野で新しいスタートアップが現れます。 スタートアップが新しいテクノロジーを生み出す事もあれば、大手企業が生み出したテクノロジーにスタートアップがうまくビジネスに取り入れるパターンがあります。 過去の○○Techというのを振り返ってみると、それぞれの時代でソフトウェア・ハードウェア問わずどういったテクノロジーの進化があったのでしょうか。

Ad Tech(広告 x テクノロジー)

  • 2009年頃〜
  • リアルタイムで入札できる仕組みの登場(RTB)
  • 複数のアドネットワークへの配信の登場(DSPSSP)
  • リーマンショック後、ニューヨークの金融関係者がこの業界に流れた(都市伝説?)

株式の自動取引のテクノロジーが広告の自動入札に流れてきたとか言われてましたが、RTBの登場後は広告枠を買う人と売る人の間に様々なプレイヤーが現れました。

Ed Tech(教育 x テクノロジー)

  • 2011年頃〜
  • タブレットの登場により、幼児教育にタブレットが使われる
  • 通信環境の改善によるICTを活用した遠隔授業、MOOCs
  • 学校の教職員のITリテラシー向上、ITに慣れ親しんでる年齢層が決裁者になってきている

タブレット登場後、幼児教育を中心とした知育アプリが乱立しました。また、映像配信に耐えうる通信環境とクラウドサーバーにより大学が社会人に向けた講座をオンラインで開講する等の動きが加速しました。

Fin Tech(金融 x テクノロジー)

上記は支払い関係を効率化するものがメインですが、保有資産の一元管理するツール(Money Tree, Money forward等)が多くでてきてこれも含めFinTechですね。現金をあまり使わないアメリカの方がこのあたりは盛んな感じがします。

HR Tech(人材 x テクノロジー)

では、今流行りのHR Tech流行の背景はなんなのかをテクノロジーサイドから読み解くと、実はそこまで多くでてきません。 HRと一言でいっても候補者獲得、スクリーニング、戦力化、タレントマネジメント、人事労務管理等があり、HR Techはスクリーニングとタレントマネジメントの部分で語られる事が多いです。 他の産業と同様にテクノロジーの動きをみてみると、大きなところで

等があります。

これだけ? と思うのですが、ビジネスサイドでないテクノロジーサイドにフォーカスすると案外少ないです。 機械学習の大衆化というのは、大量のデータを効率よく溜め込んでいくというのは、その辺のアプリケーションエンジニアやインフラエンジニアでも可能になりました。そして機械学習の部分もライブラリも豊富に揃っているのでデータサイエンティストだけの仕事ではなくなりました。(その先の意味ある分析から戦略立案は彼らの仕事ですね)

そして人工知能ブーム。人に代わって人工知能が採用して育成してくれるというのはまだ先の話で、あくまで人の思考をサポートする役割にとどまります。

人工知能がHRの領域で活躍するには、デジタル化されてない人の行動ログがもっと必要です。 人の活躍・気持ちの変化を察知するには、人の行動ログが大量に必要なのにも関わらず、まだデジタル化された情報だけに頼っています。 声の大きさ、歩く速度、会話の量など人の状態を把握するのに必要なデータは正規化されてないオフラインにある事が多いです。これをデジタル化するとHR Techというのはもっと加速するはずです。この辺りは人工知能の出番かもしれないですね。

最後に脱線しますが、社会保険の電子化はもっと加速してほしいです。 年末調整の用紙に自分で計算した金額書き込んで保険会社からのはがき添付して提出する文化がなくなるのはいつになるのでしょうか。